精神障害者福祉手帳と自立支援医療制度の違いと誤解、メリットについて

2016年3月21日月曜日

うつ病

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猫と一緒にガジェットライフ♪ムチャです。

うつ病の方が利用できる福祉制度として、「自立支援医療制度」と「精神障害者福祉手帳」があります。

これら制度の利用について、身近な人から反対されて利用できないというケースを何度か見てきました。
実際に制度を利用しながら生活している自分から、これらの誤解を解消するお手伝いをしようと思います。



精神障害者福祉手帳と自立支援医療制度利用に対する誤解

ご家族や友人から反対される理由としては、概ねこのような感じではないでしょうか。
  1. 障害者に認定されるのは嫌でしょ?
  2. 社会的に不利になるのでは?
  3. 会社にばれたらまずいのでは?
  4. 今後の人生に支障が出るのでは?
  5. それでも不安がある・・・

1.障害者に認定されるのは嫌でしょ?

自身がそのように感じているのならまた別ですが、他人が言うのなら
あんたの人生じゃないよ
と言いたい。
いくら身近な人でも自分とは別の人間であり、別の人生です。勝手な思い込みで苦労するのは自分自身。認定されてもされなくても、病気の状態は変わりません。

経済的に何も不安が無ければこれらの制度を利用する必要はありませんが、少しでも困っているであれば利用するべきです。
反対するならば、「じゃあ制度を利用して浮く分のお金を出してくれるの?」と問いましょう。

2.社会的に不利になるのでは?

なりません(キッパリ)。

別に首から下げて歩かなければいけないわけではありませんし、何か署名するときに障害者ですと宣言する必要もありません。
自立支援医療であれば指定した病院と薬局で、手帳は割引などを受けるときに提示するだけです。お一人じゃ無いときに手帳を見られたくなかったら、提示しないという選択もできます。

制度を利用することによって、何ら制限を受けることはありません。


3.会社にばれたらまずいのでは?

まず、自立支援医療制度は会社とは全く関係がありません。病院と薬局で提示するのみで、就職の際に申告する必要はありません。

現在の日本では一定の規模の企業は一定の割合で障害者を雇用する義務があります。
手帳を持っていると障害者雇用としてカウントされます。ハローワークでも障害者枠として別の募集枠があり、窓口も別に用意されていてそれほど待たずに相談ができます。
病気のため健常者と同レベルの仕事が難しい場合は手帳を取得して障害者雇用を利用するべきです。

逆に「今勤めている会社にはばれずにそのままでいたい」という場合は、あえて提示する必要はありません。
ただし後述する手帳のメリットの1つ「所得税・住民税の障害者控除」が得られないことになります(自分で確定申告を何年か後にすれば伝わらずに済むようなのですが、詳しくは調べて見てください・・・)。
障害者雇用は会社としてもメリットがあるので、できれば相談した方が良いと思います。


4.今後の人生に支障が出るのでは?

出ません(キッパリ)。

手帳は2年ごとの更新なので、病気が良くなったら更新しないという選択もできますし、途中で返還することもできます。
自立支援医療は毎年更新で、病院に行かなくて済むようになったら不要ですので更新しなければいいのです。
利用していたことがどこかに記録されることはありませんし、その後の医療機関の利用時に何か制限を受けることもありません。


5.それでも不安がある・・・

国が用意している制度であり、健康保険料や住民税を納めているなら制度を利用することに全く問題はありません。
基本的にうつ病などでこれらの制度を利用しようと考えている方は金銭的に余裕がない状況にあると思うので、ならば制度を利用することによって負担を軽減し、早く病状を改善して社会復帰することが何よりも重要です。

問題なのは、制度を用意しても周知がイマイチなされていない事だと思います。
納めた税金や保険料がどのように使われているか、どういうメリットがあるのかを知らされずにいるから、こういった制度を利用すると「なんかよくわからないけど優遇されてる奴がいる」と叩かれたり、後ろめたさを感じたりするのだと思います。

自分はうつ病の初診から休職するまでの1年以上の間、自立支援医療制度を知らずに3割負担で診察料と薬代を払っていました。病院では教えてくれず、休職の際に会社の方から教えてもらいました。

「知る人ぞ知る」みたいな感じになるから、変な情報商材なんかが出回ったりするわけです(特に障害年金)。良くないと思います。


ここまでのまとめ

以上のように、制度を利用する事によるデメリットはほぼありませんので、安心して最大限利用して、病状を良くすることに集中してください。



精神障害者福祉手帳と自立支援医療制度の違いとメリット

自立支援医療制度

もうこれは単純に以下の2点です。
  • 診察代、薬代の自己負担額が1割になる
  • 所得により月の上限額が決まり、その額以上は負担が無しになる
診察代、薬代の減額は申請時に指定した病院と薬局のみ受けられます。また関係無い病気に関する分(うつ病で受診している病院で花粉症の薬を出してもらったなど)は対象外になります。

上限額は住民税の課税額で決まり、一般的なサラリーマンの方なら月1万円となって、上限を超えることはないと思います。通院と共に復職訓練としてリワークを利用する場合は上限額で負担が止まるので助かります。

1年以上休職して傷病手当金で生活していた場合などは翌年に上限が下がって助かることもあります。自分は過去自己負担2500円になって、さらに東京都の補助が追加されて自己負担無しの機関がありました。

申請には以下の書類を揃える必要があります。
  • 申請書(役所の福祉関係の窓口、病院によっては備えている場合もあり)
  • 医師の診断書
  • 健康保険証(コピー)
  • 課税証明書(役所でもらえます)
診断書さえ書いてもらえれば、基本的に申請は通ります。受給者証が届くまでは1ヶ月くらいかかりますが、提出した際にもらった写しですぐに制度を利用できます(自治体によってはダメかもしれませんが・・・)。

課税証明書は前年から引っ越している場合はその時の役所でもらわないといけないので、引っ越す際はもらっておくと良いです。

まずは病院で相談しましょう。
病院によっては「診断書の額がもったいないよ」とか言われたというケースを聞いたことがあるのですが、うつ病などはそんな短い期間で治療が終わることはまずないと思うので申請した方がいいと思います。


精神障害者福祉手帳

こちらは審査があり、1級~3級までの等級があります。

1級精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
2級精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当)
3級精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当)

医者では無いのでどういう状態だと何級と言い切ることはできないのですが、薬をめいっぱい飲んでなんとか生活できている自分の場合で3級です。

申請は自立支援と同じく役所の担当窓口で、必要書類は以下の通りです。
注意として初診から6ヶ月以上経過している必要があります。
  • 申請書
  • 医師の診断書
  • 本人の写真
  • マイナンバー(?)
手帳には写真が入るので、写真を提出する必要があります。
審査から発行されるまでは2ヶ月ほどかかります。

メリットは3級の場合以下のような感じです。
  • 所得税、住民税の障害者控除
  • 障害者雇用枠での就業
  • 携帯料金の障害者向けプランの利用
  • 公共料金の割引
  • 失業給付が300日になる
障害者控除は上に書いたように、会社に申請した・確定申告した場合のみです。
障害者枠で仕事を探せるのはメリットなのですが、業種によっては精神障害だと厳しいこともあります(自分のようにSEとか)。

携帯料金は各社が専用プランを用意しているのですが、ものすごくおトクというほどでもありません。
各社とも基本料が半額~60%割引になるのですが、2年契約による割引と併用できないのでちょっと安いくらいです。その代わり縛りがありません・・・と言いたいところなのですが、auは1年契約です。

ドコモとソフトバンクはspモードやiコンシェルといった付加サービスの一部も60%割引になる上、新規・機種変の契約事務手数料が無料になります。

公共料金については自治体毎にまちまちなので、窓口で冊子をもらうかサイトで確認してみてください。残念ながらJRは対象外です。
東京都だと都営地下鉄、バスは無料になります。他のバス会社についても割引が受けられます。都立公園や施設も無料で入れます。

失業給付は実際に手帳を取得したことを告げたら90日→300日になりました。
傷病手当金をもらいきってしまった後2度目の休職だったので、これは非常に助かりました。
(給付の条件に就職活動の実績が無ければいけないので、定期的に相談に行く必要はあります。)

等級が上だとNHK料金とか上下水道なども入ってくるのですが、3級だと金銭面のメリットは多くないものの、デメリットはほとんど無いので取る価値はあると思います。
上に書いたように、不要になったら更新しないとか返却するという選択もできますので、重く考えず取得して欲しいと思います。


不幸自慢の先にあるもの

ご家族や友人の理解が得られない場合は、この記事や以下の記事を読んでもらってください。身近な方の理解が得られないのは一番辛いと思います。どうか諦めずに話し合ってください。
最悪、理解してもらえなければ黙って取得するのもありだと思います。
郵送される受給者証や手帳を見つからなければ、あとはしまっておけば問題ありません。
理解してもらうために消耗してしまっては逆効果ですしね。

よく「自分はもっと大変な思いしたけど大丈夫だった」「自分はもっと辛い」といった、不幸自慢をしたがる人がいます。


しらんがな!

病気で苦しんでいる本人は、今辛くて嘆いているのです。あなたの過去の苦労とか精神力とか知ったこっちゃありません。仮に全く同じ状況に置かれたとしても、耐えられる人と耐えられない人がいます。優越ではなく個性です。

うつ病は甘えや怠けでは絶対にありません。

あの半年以上の間ほぼ寝たきりで過ごした期間を、2度と繰り返したいとは思いません。
うつ病の方を理解したいと思うのであれば、まずは否定せず受け入れてあげてください。自分のことを分かってもらえないのが一番辛いです。
そして時間がかかることを理解してください。焦ったら再燃します。
どうかお願いします。



おしまいのひとこと

手帳も自立支援医療も国が用意している制度であり、誰でも利用する権利があります。
(税金払ってないとか保険料払ってないとかになると話は変わってくるのですが・・・)

デメリットはほぼ無く、受けられるメリットは社会復帰のために確実にプラスになります。後ろめたい気持ちを持つ必要はありません。復帰してからお返しすればいいのです。

他にも聞きたいことがありましたらTwitterなどで聞いていただくか、下にある問い合わせフォーム(PC版のみ)から問い合わせていただければと思います。

病気で苦しんでいるのに回りの理解が得られなくて苦しんでいる方の助けになればと思っています。どうぞよろしくお願いします。


■2016/03/21 19:08追記
医者によっては制度の利用に否定的だったり、「あなたは軽いから申請しても無駄」とか言うひどい医者もいると聞きます。そういうときは遠慮せず医者を変えてもらうか、紹介状書いてもらって別の病院に行きましょう。理由は「引越するので」とかで大丈夫です。

自立支援の病院変更は、窓口で変更届出せばその場で写しもらえるか受給者証を書き直してもらえてすぐ有効です。
自分も先日担当医にひどいこと言われたので、病院出たその足で役所へ行って病院変更しました(;´∀`)



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自己紹介

猫とガジェットが好きなJava屋さんです。うつ病で休職後退職し、1年半の休養後に社会復帰。・・・が、いろいろあって再び退職。さらに1年休職の後に復帰して、なんとかSE続けてます。茶トラのすずと一緒に生活していましたが、2014年9月4日に亡くなって1人に。

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