ザ・シチズンという腕時計があります。
デザインは非常にシンプル、しかし中に込められた技術はすさまじい物です。
セイコーの「グランドセイコー」と比べると、ブランド力ではかなり見劣りしてしまうのですが、ファンは確実にいるようで、以前書いた記事もちょくちょくアクセスがあります。
今回、1つ実験をしてみました。1年間時計を合わせないでいたらどれくらいずれるのか。
驚愕の結果(たぶん・・・)が得られましたのでご紹介します。
ザ・シチズンのスペック
ザ・シチズンには機械式とクォーツ式(さらに電源が電池とソーラー)があります。
機械式も自社生産ムーブメントを使っていてすばらしい品質なのですが、今回取りあげるのはクォーツ式(のソーラータイプ、シチズンでは「エコ・ドライブ」と呼びます)です。自分が使っていたモデルは「AQ1010-54A」という型番のものです。
さて、ザ・シチズンのクォーツ時計の精度は「年差±5秒」です。
これがどれくらいすごいかというと、一般的なクォーツ時計は月差±15秒くらいです。数字だけ見てはいけません。ザ・シチズンは「年」です。1年間放置しても5秒とずれないということです。
実験の結果は・・・
Googleカレンダーにメモをしておいたのですが、2013年2月25日に時計を合わせてから、そのまま合わせずにいました(絶対と言いきれないのですが、この頃はうつ病による休職から復帰したばかりで、日常生活はいっぱいいっぱいだったので合わせてる余裕はなかったと思います)。
そして2014年4月6日に撮った写真がこれです!
PCの画面はNICT(情報通信研究機構)の日本標準時を表示するページ「JST Clock」です。
日本標準時は一番上で半分欠けていますが「7:53:30」と表示されています。
対してザ・シチズンは「7:53:29」を指しています・・・!
なんと1年と1ヶ月でのズレはほぼ1秒でした。
この衝撃をきちんと伝える方法はないかと思って考えたのが、以下の動画です。
117に電話しながら動画を撮ってみました。
※動画のコメントでいただきましたが、10秒くらいずれてますね(;´∀`) 30と40を聞き間違えていました・・・
だっさwwwww電波時計なら1秒も狂わないのにwwwww
そういうことじゃねえんだよ!!!1!!!
電波時計なら安いものでは3000円くらいで買えます。電波時計は標準電波(日本では2カ所から原子時計ー精度は3000万年に1秒とかいうレベルーの時刻情報を電波で飛ばしている)を受診して毎日時刻合わせをするので、電波が受信できていれば全くずれないと言っても良いでしょう。
※標準電波の送信局はたまにメンテンスで停止したり、天候不順や災害時には送信が止まる場合があります。3.11の時も福島にあるおおたかどや山標準電波送信所がしばらく停止状態になり、東日本の電波時計が合わせられない日が続きました。
そういうことじゃないんですよね。ザ・シチズンのクォーツ時計は水晶振動子をただ使うのではありません。
年差時計としての精度を確保するため、水晶振動子に用いる水晶はすぐには用いられず3ヶ月程度寝かされ(エイジング)、高精度のものが選別される。温度差による誤差の変動に対応するため1分間に1回温度測定を行い発振周波数の補正を行う温度補正機能が搭載されている。技術をとことん突き詰めた結果、この精度を出しているわけです。そして組み立ては専任のマイスターが行います。たかが腕時計ですが、そこに込められた魂は一言では語り尽くせません。
さらに機械式時計になると、もっとすごい(値段も上を見るとすごい)世界が広がっているのですが、ここでは触れないでおきましょう。
しかし・・・定期メンテナンス後、絶不調に
ザ・シチズンは10年間保証が付いています。このようなカスタマーカードがもらえて、購入から2年ごと8年後には無料でメンテナンスが受けられます。今はカードのデザインは違うかもしれませんが。
上にあげた写真や動画はメンテナンス前に撮ったもので、メンテナンスから返ってきたらどや顔で記事をあげようと思っていたのですが、戻ってきた時計は絶不調になってしまいました(;´∀`)
1週間で5分くらいずれていたり、挙げ句の果て夜中に止まっていたり。
今度は修理に出して、内部機械の交換で帰ってきました。
その後は正確に時を刻んでいました。
生活苦から下取りに
初めてこのブログをご覧の方に説明しますと、自分はうつ病で2回目の休職に入っており、現在無収入の状態です。
また、仕事を止める前にXperiaZ2と合わせて購入したSmartWatchSW2が思いのほか良いできだったので、悲しいですがザ・シチズンは下取りに出しました(´Д⊂ヽ
思い出の写真
風防は最近ちょっと有名になってきた感のある「サファイアガラス」です。しかも平面ではなく、曲面になっています。
「ガラス」と呼ばれますが、実際は人工的に作り出したコランダム の単結晶です。サファイアというのはコランダムに不純物が混ざって色が付いたもののうち、赤以外の物を指します(赤いのはルビーと呼ばれる)。
ダイヤモンドに次ぐ硬度を誇り、傷つきにくいですが、当然ながら普通のガラスより高価です。
ザ・シチズンの中でも「AQ1010-54A」は特にシンプルなデザインになっています。
左上にあるのはソーラーによるパワーリザーブメーターです。屋内の光でも充電できるため、このメーターが動いたのを見たことはありません。
針は面取りされた立体型になっています。現在は夜光のモデルもありますが、自分はこの素の金属だけの方が好みです。
インデックス(文字盤の数字など)は単純に直方体です。これもまた良い。個人的には数字が書いてあるとうるさく感じてしまいます。
まとめ:腕時計もいい物ですよ(奥は深いですが・・・)
腕時計ほど価格差の広い製品はそうはないでしょう。安ければ100円、一番高い時計だと億単位になります。
最近はAndroid WareやApple Watchが出て、スマートウォッチ界隈が賑やかになってきましたが、普通の時計、特に技術の粋を尽くした時計には、その値段に十分見合う価値があります。
国産の腕時計は、世界的に見るとブランド力ではどうしても見劣りしてしまう(グランドセイコーはそれなりにありますが)のですが、個人的には国産のメーカー、シチズン、セイコー、カシオ(あとオリエントかな)を応援したいです。
大きめの家電量販店だと腕時計売り場もあったりするので、時間があったらちょっと腕時計を見てみてはいかがでしょうか。
それではみなさまよきガジェットライフを(´∀`)ノ
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